広島県支部お知らせ

お知らせ

日本野鳥の会広島県支部からのお知らせを掲載しています。
※過去の広島県支部からの知らせはこちら→ http://enagainfo.seesaa.net/

2025/04/21

図書館だより2025年4月21日

【購入本】

「枯野の猛禽・チュウヒ」

鶴いしい著 いしいT・Iアート発行 A4判 93頁 2024年

   40年を超える間に撮影されたチュウヒの形態生態を写真にまとめた1冊の写真集です。
   チュウヒは、絶滅危惧種1B類環境省レッドデータリスクに指定されている鳥です。フクロウ類同様、かすかな音を集めるパラボラ型の顔面(顔盤)と特殊化した耳を持つ。聴覚と視覚で獲物を見つけると急転回し不意打ち型狩りをするそうです。
   色彩に個体変異が大きいため、各地の個体をアルファベットで識別されて写真の瞬間の様子について解説が加えられています。山口県を中心に島根県、茨木県など広範囲に旅をされたことがうかがわれます。
   


【寄贈本】

「2022年鳥類標識調査報告書」

環境省自然環境局生物多様性センター発行 A4判 77頁 2024年

   上田恵介先生からの寄贈。
   鳥類の渡りの状況、生態等を解明し、もって鳥類の保護施策および国際協力の推進に資することを目的に、全国60か所の鳥類標識ステーションを中心にして、約450名のバンダーの協力を得ながら鳥類標識調査が実施されています。
   この報告書では、2022年に行われた鳥類標識調査の実施状況および結果の概要についてとりまとめています。
   



「Bird Research Vol. 20 December 2024」

植田睦之編 特定非営利活動法人バードリサーチ発行・寄贈 B5判 147頁 2024年

   原著論文 滋賀県におけるコルリとクロジの繁殖期の分布状況;北海道におけるカワウの集団繁殖地の変遷;日本の越冬期の鳥類の分布の変化と気候変動の影響;東京都本土低地部における繁殖鳥類の1970年代から2010年代の40年間の変化;本州下北半島におけるエゾセンニュウの繁殖について;聞き取りに基づく北海道と本州中部4地点の森林性鳥類の13年間の変動;和歌山県の河川中流域における秋季渡来期のコガモの個体数と水位の関係;鳥類群衆の調査回数と確認種数の関係‐東京西部での事例;高知市朝倉のゴミステーションにおけるカラスの食い荒らしに関する研究
    短報 波照間島におけるカタグロトビの記録;中国・四国・九州地方におけるシマクイナの越冬状況;高山城における繁殖期のキマユムシクイのさえずりの記録;北海道西部低標高林におけるウソの繁殖可能性;カワウによるドブネズミの捕食;特定外来生物ガビチョウによる直接的な鳥類の巣への捕食の可能性;冬期におけるスズメの果実による採食行動の違い
   



2025年5月~6月の探鳥会開催について

↓ 2025年5月~6月の探鳥会の詳細はこちらから

2025/02/17

図書館だより2025年2月17日

【寄贈本】

「山口県萩市見島の鳥類」

小林繁樹著・発行 A4判 297頁 2024年

   山口県支部からの寄贈。
   山口県萩市見島は、渡り鳥の移動のコースにあたることから、多くのバードウォッチャーが訪れることで名高い。観察された鳥類に関する報告も多く、日本野鳥の会山口県支部(1980)は1979年9月現在で40科157種を、武下(1993)は1993年5月現在で50科265種を報告している。近年の撮影機材の高機能化、図鑑類の充実、観察者の増加と相まって、観察記録種はその後、飛躍的に増加している。
   しかしながら残念なことにこれらの報告以降、山口県萩市見島で記録された鳥類目録の作成の試みは行われていなかった。そこで今回、今までの観察記録を整理することに加え、既往の資料も含めた山口県萩市見島で記録された鳥類の目録を作成するとともに、島内で繁殖する鳥類のリストと、見島での標識調査についても併せたまとめの報告になっている。
   



「鳥の落としもの&足あと図鑑」

小宮輝之監修 (株)カンゼン発行 A5判 157頁 2024年

   会員の石井鶴三氏からの寄贈。
   カンゼンが出版する小学校中学年以上対象の「鳥類学の世界」を面白く旅する図鑑シリーズの最新刊です。「鳥の落としもの」と聞いて思い浮かべるものと言えばまずは排泄物、そして羽毛、食べ物。そんなさまざまな落としものや足あとなど、鳥がその場所にいたことがわかるしるし(痕跡)のことを「フィールドサイン」と呼びます。このフィールドサインから鳥たちのくらしを考えてみようというのがテーマです。
   本書ではふだんは見過ごしてしまう鳥の落としものや痕跡の見つけ方、そこから読みとれる鳥の種類や生態、嗜好などについて紹介していきます。大半のページが「鳥たちの落としもの図鑑」と銘打ったきれいな画像の「落としものの数々」です。落とし主の姿と共に解説が加えられています。探鳥の前に眺めるだけでも勉強になりそうな1冊です。

2025/02/11

2024/12/25

2025年1月~2月の探鳥会開催について

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図書館だより2024年12月24日

【購入本】

日本鳥類目録【改訂第8版】」

日本鳥学会編集 一般社団法人鳥学会発行 A5判 472頁 2024年

   原著論文5編
      今回の改訂第8版は、分子遺伝学の発展にともなう種の系統関係や交雑の実態についての新たな知見、コンピューター技術をつかった形態や音声などの分析、分布情報の地道な積み重ねを反映した新しいものになっています。
      なお本目録は禁帯出に指定しております。事務所内でご利用ください。
   


【寄贈本】

「特集 渡り鳥の環境文化学」

河北秀也監修 文化科学高等研究院出版局発行 菊判 129頁 2024年

    日比野政彦さんからの寄贈。
   日本の野鳥630種の内60%以上が渡り鳥であって、東アジアは世界でも渡り鳥の多い地域で、世界の渡り鳥の40%以上が経由しているとあります。大型の種、水鳥、猛禽類、ヒヨドリなどは日中に渡ることが多くて観察できますが、ほとんどが渡り鳥である小鳥は、日没後1時間頃から夜間に単独で、また鳴くことなくひっそりと飛んでいるそうです。1971年マガンが天然記念物に指定され狩猟が禁止となり、同じ時期に農業収穫が機械化されて収穫ロスや落ち籾が増加したため、今では20~30万羽が越冬しているようです。「ご飯を食べてマガンを守る」との合言葉があるのを知りました。シギ・チドリの渡りについても詳しく分析しています。世界の保護活動の内容も含めて、興味のある内容となっています。ぜひお手に取ってみてください。
   



「イカルチドリの私生活」

比企ワシタカ研究会著 まつやま書房発行 A4判 104頁 2024年

    日比野政彦さんからの寄贈。
   標識調査をとおして知己をいただいている内田博さんが、ライフワークの一つであるイカルチドリの生活史をまとめられました。2024年9月東大で開催された鳥学会で氏から手渡しで日比野にいただきましたが、私蔵するのでなくイカルチドリ研究の集大成として貴重な内容を広く知っていただくため野鳥図書館の蔵書にして利用していただければと思います。
   内田さんの第一印象は70歳を過ぎたその風貌のトレードマークのゴマ塩のヒゲでです。自信をもってライフワークに打ち込んで来られた物おじしない態度と気さくな性格のまま、文章の随所に内田さんの人となりが感じられ、読んで楽しい図書に仕上がっています。タイトルの「私生活」という言葉が表すように内田さんのシャイな性格も感じ取っていただければと思います。(日比野氏記)
   



2024/10/29