2024/02/21
図書館だより2024年2月21日
鶴・いしい著 いしいT・Iアート発行 A4判 59頁 2023年
支部会員である石井鶴三さんの代名詞とも言えるハチクマの最新写真集です。
一昨年「彼岸鷹 東シナ海の風にのって」を寄贈頂きましたが、その後も精力的にフィールドであるミツバチスタジオでの観察、撮影を続けてらっしゃいます。
写真の中には会員の渡辺健三さんによるものもあります。迫力ある生態形態写真集をご覧ください。
小宮輝之監修 ポンプラボ編集 (株)カンゼン出版 A5判 157頁 2023年
石井鶴三さんからの寄贈。昨年紹介した「鳥の食べもの&とり方・食べ方図鑑」の続編にあたる1冊です。
今回は鳥の親子と子育てについてです。前回同様美しい写真とともに、鳥の子育てが、基礎知識から繁殖期の様子、山林・森林、平地・草原、川・湖沼といった活動エリア別に解説されています。
著者は「環境などにたくみに適応、変化してきた鳥の繁殖にまつわる生態は、じつに多種多様で興味深いものです。しかし、それだけにまだまだなぞも多く、いまこの瞬間もさまざまな研究が続けられています。」と語っています。
小学校中学年以上を対象にした本ですが、知っているつもりだったことを改めて知るのに最適な1冊になりそうです。巻頭に「このコどこの子?」と銘打ったクイズで24羽のヒナの写真が並びます。とても勉強になります!皆さんも挑戦してみてください。
2023/12/22
図書館だより2023年12月22日
山極寿一・鈴木俊貴著 集英社発行 B6判 221頁 2023年
著者の鈴木俊貴さんはシジュウカラの文法を解明した研究者としてテレビにも登場し、我々バードウォッチャーの間でも有名。山極寿一さんは言わずと知れたゴリラ研究の世界的権威。この2人による「鳥とゴリラの異種対談」です。
本書は「おしゃべりな動物たち」「動物たちの心」「言葉から見える、ヒトという動物」「暴走する言葉、置いてきぼりの身体」の4章に分かれて動物たちの言葉をテーマに対談が続きます。シジュウカラは仲間同士でコミュニケーションを取り、その言葉には複数の語を組み合わせる文法があることなど驚くような発見をテレビで目にしましたが、その調査過程が詳しく対談で語られています。
読み進むうちに動物にあってヒトにない認知能力があること、また当然ながら人間の言葉にしかない能力もあることが分かります。鈴木さん曰く「鳥やゴリラの立場から言語をキーワードに人間社会を俯瞰するユニークな本」です。
西田雄介・大塚 攻・西本悟郎・上野吉雄・渡辺健三著 広島大学総合博物館発行 A4判 9頁 2022年
会員西本悟郎さんからの寄贈。
賀茂川河口に広がる最大干出面積約22haのハチの干潟は生物多様性が高く、環境省は「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」に選定しています。しかし干潟周辺に生息する鳥類調査報告は少ないそうです。
竹原市の鳥類相の解明を目的に干潟周辺で定期的に調査を行い、環境省レッドリスト2020と広島県レッドデータブック2021に指定されている16種を含む14目33科95種5亜種の鳥類が確認されました。
著者の大塚攻先生は、来年の支部総会で「広島県のハチの干潟、カブトガニと鳥類の関係」について講演されます。
2023/10/28
2023年11月~12月の探鳥会開催について
- 発熱等、体調の悪い方は参加をご遠慮ください。
- マスクの着用については、各自でご判断ください。
図書館だより2023年8月28日
日本野鳥の会編集・発行 B5判 223頁
原著論文5編
◎木曽谷のクマタカ―23年間の観察
◎和歌山県の河川中流域に生息するイソヒヨドリの食性
◎玉川上水の杉並区に敷設された大型道路が鳥類群集に与えた影響
◎北海道におけるノビタキの繁殖期の分布
◎北海道渡島半島西部の鳥類1.落葉広葉樹林における繁殖期の鳥類相;短報12編
◎宮城県におけるクロサギの繁殖初記録
◎九州地方におけるコムシクイの渡り時期
◎東京都におけるクマタカの繁殖成功率
◎宍道湖に渡来したトモエガモ個体群の採餌場所と糞分析
◎宮城県におけるヤドリギツグミの初確認
◎徳島県におけるオオムシクイの秋期の渡り
◎滋賀県立大学キャンパスのおける造成直後の2003年から2014年にかけての鳥類相の変化
◎秋に九州西部を南下するサシバ
◎青森県八戸市弁天島におけるウミネコの繫殖状況と今後の保護
◎カンムリウミスズメ繫殖地としての伊豆諸島恩馳島の重要性
◎鳥取県におけるオオチドリの初記録
◎日本におけるコシジロイソヒヨドリの写真を伴う3例目の記録で雌の初記録となる観察
中西悟堂企画 原色野鳥ガイド研究会出版 A4判 160頁 2022年 会員大西順子さんからの寄贈
日本野鳥の会創設者として有名な中西悟堂氏が、戦前(1938年中西悟堂)出版した『野鳥ガイド 上巻・陸鳥編』に続き、戦後には『原色野鳥ガイド』の出版を企画していました。鳥類画家 小林重三(しげかず)氏に依頼し描かれた図鑑は、残念ながら未刊となりました。戦争前後の複雑な時代背景の中で、長きにわたり専門家や遺族に引き継がれてきた原画集や解説集がすべてまとめられて、2022年9月30日やっと出版に至ったのです。
写真による図鑑の多い現在ですが、双眼鏡で十分観察されて描かれた細やかな「単式線画」及び「水彩画」の表情は、生き生きとしていて、更に感情も伝わってくるような姿です。
参考: 中西 悟堂 (1895~1983) 明治28~昭和59 (89歳)
小林 重三 (1887~1975) 明治20~昭和50 (88歳)
下村 兼史 (1903~1967) 明治36~昭和42 (64歳)
小谷 ハル (1943~現在)中西悟堂の長女 (この項大西記)
2023/08/22
図書館だより2023年8月22日
(株)日経ナショナルジオグラフィック編集・発行 B5判
複数の会員の方々からのリクエストがあり本年7月号より定期購読を開始しました。
アメリカの雑誌「National Geographic」は135年の歴史を持ち、同誌編集長の言葉を借りれば「身近なものから彼方のものまで、世界に関する知見を広め、理解を深めるため探求を続けている」雑誌です。
その日本版は魅力的な写真と共に自然界の美しさや驚異、文化の多様性、歴史的な出来事などを紹介しています。生態系や動植物の多様性などを広く紹介するだけでなく、自然保護や環境問題にも焦点を当てています
野鳥に関する記事も毎号ではありませんがありますので、是非ご覧ください。バーダーや野鳥誌と同じ雑誌閲覧用の書棚に展示しています。
比婆科学教育振興会編集・発行 B5版 54頁 2023年
本年1月に亡くなられた庄原市立比和自然科学博物館名誉館長の中村慎吾さんの業績が紹介されています。
比和科学教育振興会の事務局長として「比婆科学」の編集等に長年携わってこられました。
現在同博物館で中村慎吾さんの功績を称える追悼展が開かれています。(11月30日まで)