広島県支部お知らせ

お知らせ

日本野鳥の会広島県支部からのお知らせを掲載しています。
※過去の広島県支部からの知らせはこちら→ http://enagainfo.seesaa.net/

2025/06/24

図書館だより2025年6月24日

【購入本】

「僕には鳥の言葉がわかる」

鈴木俊貴著 小学館発行 46判 264頁 2025年

   東京大学に「動物言語学分野・鈴木研究室」を立ち上げた筆者による、これまでの研究人生を綴る初の著書、動物言語学の幕開けを宣言する啓蒙書です。大学3年の軽井沢での運命の出会いから始まり、その後一貫して鳥語研究にまい進して新たな研究分野を切り開いていく姿が軽妙なタッチで紹介されています。
   面白おかしいエピソードに引き込まれつつも、動物言語学者としての矜持が端々にほとばしる一冊です。たとえば、一つひとつの研究で紹介される知恵と工夫、努力と忍耐は、毎日の野鳥観察の中で我々が「鳥がおしゃべりしているね」と雑談するのと、アカデミアで「鳥は言語を操っている」と証明する間には天地の開きがある、ということを感じ入るに十分です。ぜひ、「ルー語による文法の証明」、「ぼく・ドラえもん」実験などを通して「動物言語学」誕生の物語を楽しんでください。
   


【寄贈本】

「愛媛県鳥類目録」

日本野鳥の会愛媛県支部編集・発行・寄贈 A4判 128頁 2024年

   1950年から2024年までに愛媛県内において記録された鳥類をまとめてあります。21目、71科、370種(うち外来種9種)を掲載し、各種について県内における渡り区分や生息状況などを記してあります。
   各渡り区分別の種数は、留鳥78種、夏鳥37種、冬鳥89種、旅鳥57種、不定期渡来56種、迷鳥52種、その他1種です。繁殖が記録された、もしくは繁殖の可能性がある種は125種。参考記録種21種、逸出種27種も掲載されています。増減傾向の特異なものについてグラフで示してあり、初記録種については写真とともに観察日が記録されています。
   瀬戸内海を隔てた隣の県の様子を知ることができる興味のある本だと思われます。なお表紙の写真は愛媛県の県鳥コマドリの素敵な姿です。
   



「比婆科学 279号」

比婆科学教育振興会編集・発行・寄贈 B5判 59頁 2024年

   野鳥関係分として会員2名の方の報文が掲載されています。
   漆谷光名「広島県江の川で越冬したオオハクチョウCygnus cygnus幼鳥の記録」(2023年11月23日から翌年2月28日にかけて渡来したオオハクチョウ4羽の成長過程の観察記録)
   渡辺健三「広島県松永湾後背地に飛来したシマアジSpatula querquedula」(異例の24日間にわたった滞在期間の観察記録)
   



2025年7月~8月の探鳥会開催について

↓ 2025年7月~8月の探鳥会の詳細はこちらから

2025/04/21

図書館だより2025年4月21日

【購入本】

「枯野の猛禽・チュウヒ」

鶴いしい著 いしいT・Iアート発行 A4判 93頁 2024年

   40年を超える間に撮影されたチュウヒの形態生態を写真にまとめた1冊の写真集です。
   チュウヒは、絶滅危惧種1B類環境省レッドデータリスクに指定されている鳥です。フクロウ類同様、かすかな音を集めるパラボラ型の顔面(顔盤)と特殊化した耳を持つ。聴覚と視覚で獲物を見つけると急転回し不意打ち型狩りをするそうです。
   色彩に個体変異が大きいため、各地の個体をアルファベットで識別されて写真の瞬間の様子について解説が加えられています。山口県を中心に島根県、茨木県など広範囲に旅をされたことがうかがわれます。
   


【寄贈本】

「2022年鳥類標識調査報告書」

環境省自然環境局生物多様性センター発行 A4判 77頁 2024年

   上田恵介先生からの寄贈。
   鳥類の渡りの状況、生態等を解明し、もって鳥類の保護施策および国際協力の推進に資することを目的に、全国60か所の鳥類標識ステーションを中心にして、約450名のバンダーの協力を得ながら鳥類標識調査が実施されています。
   この報告書では、2022年に行われた鳥類標識調査の実施状況および結果の概要についてとりまとめています。
   



「Bird Research Vol. 20 December 2024」

植田睦之編 特定非営利活動法人バードリサーチ発行・寄贈 B5判 147頁 2024年

   原著論文 滋賀県におけるコルリとクロジの繁殖期の分布状況;北海道におけるカワウの集団繁殖地の変遷;日本の越冬期の鳥類の分布の変化と気候変動の影響;東京都本土低地部における繁殖鳥類の1970年代から2010年代の40年間の変化;本州下北半島におけるエゾセンニュウの繁殖について;聞き取りに基づく北海道と本州中部4地点の森林性鳥類の13年間の変動;和歌山県の河川中流域における秋季渡来期のコガモの個体数と水位の関係;鳥類群衆の調査回数と確認種数の関係‐東京西部での事例;高知市朝倉のゴミステーションにおけるカラスの食い荒らしに関する研究
    短報 波照間島におけるカタグロトビの記録;中国・四国・九州地方におけるシマクイナの越冬状況;高山城における繁殖期のキマユムシクイのさえずりの記録;北海道西部低標高林におけるウソの繁殖可能性;カワウによるドブネズミの捕食;特定外来生物ガビチョウによる直接的な鳥類の巣への捕食の可能性;冬期におけるスズメの果実による採食行動の違い
   



2025年5月~6月の探鳥会開催について

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2025/02/17

図書館だより2025年2月17日

【寄贈本】

「山口県萩市見島の鳥類」

小林繁樹著・発行 A4判 297頁 2024年

   山口県支部からの寄贈。
   山口県萩市見島は、渡り鳥の移動のコースにあたることから、多くのバードウォッチャーが訪れることで名高い。観察された鳥類に関する報告も多く、日本野鳥の会山口県支部(1980)は1979年9月現在で40科157種を、武下(1993)は1993年5月現在で50科265種を報告している。近年の撮影機材の高機能化、図鑑類の充実、観察者の増加と相まって、観察記録種はその後、飛躍的に増加している。
   しかしながら残念なことにこれらの報告以降、山口県萩市見島で記録された鳥類目録の作成の試みは行われていなかった。そこで今回、今までの観察記録を整理することに加え、既往の資料も含めた山口県萩市見島で記録された鳥類の目録を作成するとともに、島内で繁殖する鳥類のリストと、見島での標識調査についても併せたまとめの報告になっている。
   



「鳥の落としもの&足あと図鑑」

小宮輝之監修 (株)カンゼン発行 A5判 157頁 2024年

   会員の石井鶴三氏からの寄贈。
   カンゼンが出版する小学校中学年以上対象の「鳥類学の世界」を面白く旅する図鑑シリーズの最新刊です。「鳥の落としもの」と聞いて思い浮かべるものと言えばまずは排泄物、そして羽毛、食べ物。そんなさまざまな落としものや足あとなど、鳥がその場所にいたことがわかるしるし(痕跡)のことを「フィールドサイン」と呼びます。このフィールドサインから鳥たちのくらしを考えてみようというのがテーマです。
   本書ではふだんは見過ごしてしまう鳥の落としものや痕跡の見つけ方、そこから読みとれる鳥の種類や生態、嗜好などについて紹介していきます。大半のページが「鳥たちの落としもの図鑑」と銘打ったきれいな画像の「落としものの数々」です。落とし主の姿と共に解説が加えられています。探鳥の前に眺めるだけでも勉強になりそうな1冊です。

2025/02/11

2024/12/25