2024/12/25
図書館だより2024年12月24日
日本鳥学会編集 一般社団法人鳥学会発行 A5判 472頁 2024年
原著論文5編
今回の改訂第8版は、分子遺伝学の発展にともなう種の系統関係や交雑の実態についての新たな知見、コンピューター技術をつかった形態や音声などの分析、分布情報の地道な積み重ねを反映した新しいものになっています。
なお本目録は禁帯出に指定しております。事務所内でご利用ください。
河北秀也監修 文化科学高等研究院出版局発行 菊判 129頁 2024年
日比野政彦さんからの寄贈。
日本の野鳥630種の内60%以上が渡り鳥であって、東アジアは世界でも渡り鳥の多い地域で、世界の渡り鳥の40%以上が経由しているとあります。大型の種、水鳥、猛禽類、ヒヨドリなどは日中に渡ることが多くて観察できますが、ほとんどが渡り鳥である小鳥は、日没後1時間頃から夜間に単独で、また鳴くことなくひっそりと飛んでいるそうです。1971年マガンが天然記念物に指定され狩猟が禁止となり、同じ時期に農業収穫が機械化されて収穫ロスや落ち籾が増加したため、今では20~30万羽が越冬しているようです。「ご飯を食べてマガンを守る」との合言葉があるのを知りました。シギ・チドリの渡りについても詳しく分析しています。世界の保護活動の内容も含めて、興味のある内容となっています。ぜひお手に取ってみてください。
比企ワシタカ研究会著 まつやま書房発行 A4判 104頁 2024年
日比野政彦さんからの寄贈。
標識調査をとおして知己をいただいている内田博さんが、ライフワークの一つであるイカルチドリの生活史をまとめられました。2024年9月東大で開催された鳥学会で氏から手渡しで日比野にいただきましたが、私蔵するのでなくイカルチドリ研究の集大成として貴重な内容を広く知っていただくため野鳥図書館の蔵書にして利用していただければと思います。
内田さんの第一印象は70歳を過ぎたその風貌のトレードマークのゴマ塩のヒゲでです。自信をもってライフワークに打ち込んで来られた物おじしない態度と気さくな性格のまま、文章の随所に内田さんの人となりが感じられ、読んで楽しい図書に仕上がっています。タイトルの「私生活」という言葉が表すように内田さんのシャイな性格も感じ取っていただければと思います。(日比野氏記)