お知らせ

日本野鳥の会広島県支部からのお知らせを掲載しています。
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2023/12/22

図書館だより2023年12月22日

【購入本】

「動物たちは何をしゃべっているのか?」

山極寿一・鈴木俊貴著 集英社発行 B6判 221頁 2023年

   著者の鈴木俊貴さんはシジュウカラの文法を解明した研究者としてテレビにも登場し、我々バードウォッチャーの間でも有名。山極寿一さんは言わずと知れたゴリラ研究の世界的権威。この2人による「鳥とゴリラの異種対談」です。
   本書は「おしゃべりな動物たち」「動物たちの心」「言葉から見える、ヒトという動物」「暴走する言葉、置いてきぼりの身体」の4章に分かれて動物たちの言葉をテーマに対談が続きます。シジュウカラは仲間同士でコミュニケーションを取り、その言葉には複数の語を組み合わせる文法があることなど驚くような発見をテレビで目にしましたが、その調査過程が詳しく対談で語られています。
   読み進むうちに動物にあってヒトにない認知能力があること、また当然ながら人間の言葉にしかない能力もあることが分かります。鈴木さん曰く「鳥やゴリラの立場から言語をキーワードに人間社会を俯瞰するユニークな本」です。
   



【寄贈本】

「広島県竹原市ハチの干潟周辺における鳥類の出現記録」

西田雄介・大塚 攻・西本悟郎・上野吉雄・渡辺健三著 広島大学総合博物館発行 A4判 9頁 2022年

   会員西本悟郎さんからの寄贈。
   賀茂川河口に広がる最大干出面積約22haのハチの干潟は生物多様性が高く、環境省は「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」に選定しています。しかし干潟周辺に生息する鳥類調査報告は少ないそうです。
   竹原市の鳥類相の解明を目的に干潟周辺で定期的に調査を行い、環境省レッドリスト2020と広島県レッドデータブック2021に指定されている16種を含む14目33科95種5亜種の鳥類が確認されました。
   著者の大塚攻先生は、来年の支部総会で「広島県のハチの干潟、カブトガニと鳥類の関係」について講演されます。